医療事故基礎用語集

医療事故基礎用語集

医療事故

医療において、発生した全ての事故を指します。
医療従事者に過失がなく、責任が発生しない場合も含まれます。

医療過誤

医療事故のうち医療機関の過失によって、患者が被害を被った場合が医療過誤です。
医師その他の医療従事者の手技ミス、投薬ミス、誤診等が医療過誤となります。身体的被害がない場合でも、十分な説明を受けて治療を選択する権利が侵害された場合、説明義務違反が成立する場合があります。医療過誤によって損害を被った場合、患者は医療機関に対し、損害賠償を請求することができます。

証拠保全

医療機関が診療記録等を改竄又は隠匿する恐れがある場合、裁判所に申し立てをして、証拠を確保します。この手続を証拠保全手続といいます。

協力医

医療事故について、患者の立場から事件を分析して意見を述べてくれる医師のことを協力医といいます。

インシデント

医療事故につながる危険があったものの医療事故には至らず、防止することができた出来事を指します。インシデントが起こった際、ヒヤリとしたり、ハッとしたりすることから「ヒヤリ・ハット」という表現も使われています。

鑑定

医学など専門性の高い分野において、特別の学識経験を有する第三者に意見を求める手続です。医療訴訟において、裁判官の判断能力を補完するために、裁判所が選任する医師が専門的知識に基づいて医学的判断を示します。

私的鑑定

患者又は医療機関が自ら選任した医師に専門的判断を示してもらうことをいいます。医療過誤訴訟では、患者側が医療機関の過失を立証する必要があるため、必要となる場合があります。

病理解剖

死亡事件である医療事故において、死因や治療の妥当性を解明するため、死体を検分する手続です。病理解剖を行うことは、大きな心理的負担を伴いますが、真相解明のため、必要止むを得ない場合もあります。

© 深水法律事務所 – 医療事故相談室