係争内容

1.過失1.過失

過失の認定は、事実認定とその法的・医学的評価の両面にわたって諸々の難しい問題点を生じさせます。
診療契約上、医師が適切な治療を怠ったという点が過失となります。具体的には、病変の見落とし、手術時期の遅滞、画像読影の誤り、手技ミス、投薬の誤り等が該当します。

2. 因果関係2. 因果関係

損害賠償請求が認められるには、過失のほかに結果との因果関係が必要となります。例えば、癌の見落としで言えば、もし見落としがなければ、救命又は相当期間の延命が可能だったといえることが必要となります。因果関係が認められない場合でも、最善の治療を受ける期待権侵害として、賠償が認められることもありますが、賠償額は限定されたものとなります。

3.賠償額算定3.賠償額算定

損害賠償には以下のような項目があります。損害賠償額が適切なものであるか項目別に精査を行います。


※慰謝料

医療事故による精神的苦痛を慰謝するためのものです。死亡慰謝料・後遺障害慰謝料・傷害慰謝料(入院・通院)などがあります。


※逸失利益

医療事故によって、失った将来の経済的利益の補填のためのものです。
稼動できなくなる期間や失った労働力の割合、基準所得額が争われる例が多く見られます。
後遺障害の認定がされた場合、その等級に応じて5パーセントから100パーセントの労働能力が失われたと認定されます。


※治療費・介護費用

治療・介護のために現実に支出した金額です。
治療のために要した期間や治癒時期が争点となる例が多く見られます。
重篤な後遺障害が残った時は、介護費用や自宅改造費についても損害賠償請求が認められることがあります。


※休業損害

仕事ができなかったことによって失った利益です。
休業期間や基準所得額が争われる例が多く見られます。

© 深水法律事務所 – 医療事故相談室